冷えは「体質」ではなく「状態」
冷え性を「生まれつきの体質だから仕方ない」と諦めている方が多くいます。しかし東洋医学の観点では、冷えは体内のエネルギーや血の巡りが低下しているサインであり、整えることのできる「状態」です。
冷えにもいくつかのパターンがあります。手足の先だけが冷える末梢の冷え、お腹や腰など体の中心が冷える内臓冷え、全身がとにかく寒い全身冷え——それぞれ原因が異なり、アプローチも変わります。
むくみは冷えと深く関わっています。体が冷えると血管が収縮し、血液やリンパの流れが滞ります。その結果、余分な水分が組織に溜まり、むくみとして現れます。「冷えとむくみが同時にある」という方は、気血と水分代謝の両方が乱れている状態といえます。
東洋医学から見た冷え・むくみ
東洋医学では、冷えの主な原因として以下のパターンを考えます。
陽虚(ようきょ):体を温めるエネルギー(陽気)が不足した状態。全身が冷えやすく、疲れやすい、気力がわかないという症状が重なることが多い。
気虚・血虚(ききょ・けっきょ):気や血の量が不足し、末端まで温める力が届かない状態。手足の先の冷え、顔色の悪さ、疲れやすさとして現れる。
瘀血(おけつ)+水毒(すいどく):血の流れの滞りと水分代謝の乱れが重なった状態。冷えとむくみが同時にある方に多く見られる。
当院のアプローチ
冷えとむくみの施術では、お灸(きゅう)を積極的に用います。お灸は体の深部を温め、気血の巡りを促すことに長けており、鍼と組み合わせることで相乗効果が生まれます。
脈診・腹診で冷えのパターン(陽虚・気虚・瘀血など)を見極めたうえで施術するため、同じ「冷え性」でも一人ひとりに合ったアプローチが可能です。体の芯から温まる感覚と、むくみが軽くなる変化を、多くの方が数回の施術で実感されています。
✔ 冷えのパターン(陽虚・気虚・瘀血)を読み解き、原因から対処
✔ 鍼とお灸を組み合わせ、体の深部から温める
✔ むくみ・血行不良・月経トラブルなど、冷えに連動する不調にも対応
文中のことば解説
陽虚(ようきょ):体を温める「陽気」が不足した状態。常に寒い、冬が特につらい、温めると楽になるという特徴がある。
瘀血(おけつ):血の流れが滞り、うっ血した状態。冷えと合わさると、末端の冷え・肩こり・月経痛・肌荒れなどが起こりやすくなる。
水毒(すいどく):体内の水分代謝が乱れ、余分な水分が溜まった状態。むくみ・頭重感・めまい・関節の痛みなどとして現れる。
お灸(きゅう):もぐさを燃やして経穴(ツボ)を温める東洋医学の施術法。深部への温熱刺激によって気血の巡りを促し、冷えや慢性的な疲労の改善に用いられる。